OPERA 実験における ECC 中での 電磁成分の解析 特定領域「フレーバー物理の新展開」研究会 2011 名古屋大学 F 研 北川暢子
CERN SPS 732km OPERA の目的 : 長基線ニュートリノビームライン CNGS で νμ→ντ 振動を アピアランス法 で検証する。 Appearance ( Δm 23 2 = (2.43±0.13)×10 -3 eV 2, sin 2 2θ 23 = 1.0, L/E = 43km/GeV ) [ Phys.Rev.Lett.101:131802,2008.] CNGS, conventional, pure beam Underground Laboratory INFN Gran Sasso 17 GeV ( e + e ) / 0.87 % / 2.2 % prompt negligible 5 年間に計 22.5×10 19 POT 相当のニュートリノを照射、 1.25kton の標的に約 24,000 反応を蓄積する 予定。 期待される τ ニュートリノ反応の同定数は約 10 個。
The OPERA Detector ν CS 125mm 100mm 75.4mm 8.3kg Neutrino Beam 57 枚 OPERA フィルム ( 飛跡検出 ) 56 枚 1mm 鉛板 ( ニュートリノ標的 ) を積層した構造 1ECC 当たりの物質量は 10X 0 ECC 内で電子シャワーの発達・収束が見える CS ECC
電子の飛跡を用いたニュートリノ反応点探 索 10~20 plates upstream CS ECC ニュートリノ反応点探索は主に Scan Back 法 = CS で見つけた飛跡を元に ECC 中に繋げて上流へと追い上げる 電子シャワーの辿り着いた付近並びに上流のプレートをスキャンして飛跡の再構成を行う (a) 上流で VTX が見つかった >> 追い上げた電子シャワーは 0 →2 からの電子・陽電子 (b) 電子シャワーと同じプレートで VTX が見つかった >> e CC 反応 (a) (b)
電子ニュートリノ反応の探索 ・現在、 2556 個 ( の一部 ) の CC ( mu 付き)イベントに対し 14 個の電子ニュートリノ反応候補が見つかっている ・ 14 個のうち 12 個が、 CS での電子シャワーの飛跡を SB して VTX に辿り着いた 電子ニュートリノ反応と同定するには、反応点から生じる全ての粒子 を約 20 プレートの follow down( 下流に向かって追い下げる ) 、または netscan(1~2cm 2 ) をし、電子同定をしなければならない しかし、これは手間が掛かり、 location と平行して 全ての 0mu イベントに対し行うことは難しい <本研究の目的> 検出効率を落とさず、効率良く電子ニュートリノ反応 候補の選び出しを行う
探索方法1 NC-like (0mu) イベントの CS に電子シャワーの塊があるものに着 目 Sample 1Sample 2 TT CS
CS でのシャワートラックの本数と vtx の深さの関 係 vtx plate No. beam 半径: 2mm 角度差: 150mrad 条件を満たす最大のトラック本数
探索方法2 反応点から生じた二次粒子をその角度と位置を使って、 CS 上に延長する 電子ニュートリノ反応により生成される 1ry electron は high energy なため、 CS に延長した先に電子シャワーの塊が見れるはず イメージ図 VTX の位置 VTX plate から始まる飛跡 VTX plate の 1 枚下流から始まる飛跡 VTX plate の 2 枚以上下流から始まる飛跡 それぞれを CS 上に延長した場所を表す
探索方法2 Z-projection X-projection
CS でのシャワーの中心値と 1ry トラックを CS に延長した位置とのずれ
Pi0 からの shower の例
Selection 効率 Selection の条件 ① CS で r<2mm, <150mrad となるトラックの集団をカウントする ②其の数が 4 本以上となるイベントを選ぶ ③さらに、二次粒子を CS 上に延長し、 その位置と①で選ばれたトラック集団の中心値との位置ズレ dr<2.5mm のイベントを選ぶ MC による効率の見積もり e CC DIS 553 → 409 ~ 0.74 NC 526 → 46 ~ 0.09 からの電子シャワーによる BG preliminary
BG となるイベント
1micron 顕微鏡で見た電子対の画像 emulsion TAC base 0.002Xo γ 290um Gamma-ray OPERA film OPERA film 中での 近接する電子対の見え方
BG となるイベント Eye check により Target となる飛跡と 並走するもう1本の飛跡を見つけた ↓ e CC 反応の 1ry 電子 × 0 →2 →e+ e- ○
kinematical cut * 1ry VTX から生じる電子の飛跡に対し、 1GeV 以上を要求する = 1st lead plate 中で convert した soft γ を排除する NC-like 238 イベント中の 709 gamma について (MC) (theta <0.6) 1st lead plate 中で convert する γ 線の内 生じた電子対の一方でも E>1GeV に受かる γ→e+ e- は 8γ E1(GeV) E2(GeV) 角度差 (rad) 位置ずれ (um) 電子対と同定するのは難しい preliminary BG : 2/238~ 0.8%
Ref: “CNGS neutrino beam from CERN to Gran Sasso” Nuclear Physics B (Proc. Suppl.) 168 (2007) visible energy 20GeV 以上 Beam e / oscillated e ( e + e ) / 0.87 % ( MC)
まとめと展望 現在、 2556 個 ( の一部 ) の CC ( mu 付き)イベントに対し 14 個の電子ニュートリノ反応候補が見つかっている CS の情報を用いて効率的に電子ニュートリノ反応候補の選び出せることを示した 267 個の 0mu イベントに対し電子ニュートリノ反応候補の選び出しと 候補イベントからの同定を行っている からの電子シャワーによる BG のスタディーを行っている 電子ニュートリノ反応探索手法の確立を目指す