あなたが東海地震で 体感しなければならない震度は！ 岐阜大学工学部社会基盤工学科 能島暢呂 東海・東南海地震防災プロジェクト 第 3 回セミ ナー 2002 年 12 月 8 日

兵庫県南部地震（ Mj=7.3 ） 1995 年 1 月 17 日

朝日新聞 2002 年 6 月 14 日朝刊 中国崑崙山脈の地震（ M=8.1 ） 2001 年 11 月

背 景 想定地震による震度分布の予測精度の向上 – 地震動予測手法の高度化 – 地盤データベースの充実 社会への影響＝震災ポテンシャルの評価には？ 誘因＝自然条件 震度 素因＝社会条件 人口・財

「震度曝露人口」とは？ 曝露 (exposure) – 発がん性物質，汚染物質，放射線などの有害因子 に曝（さら）されること 曝露人口 – 曝露規模を人数で表現した指標 震度曝露人口 – 所定の震度レベルにさら曝（さら）される人数 – 震度と人口の空間分布特性の重なり合いを考慮し た震災ポテンシャル指標として提案

６弱 ５強 ５弱 ４ ６強 震源 東海地震（地表面計測震度） 東海地震

６弱 ５強 ５弱 ４ ６強 震源 東南海地震（地表面計測震度） 東南海地震

震源 ６弱 ５強 ５弱 ４ ６強 東海・東南海連動地震（地表面計測震度） 東南海地震 東海地震

地域メッシュ統計による人口分布 (1km → 500m に変換 )

東海 4 県の総人口 1440 万人 東海地震 東南海地震 連動地震 震度 東南海地震 東海地震 岐阜 愛知 三重 静岡 4 5弱5弱 5強5強 6弱6弱 6強6強 7 気象庁震度に対する震度曝露人口 曝露人口

想定東海地震想定東南海地震連動地震 想定東海・東南海・連動地震による 震度曝露人口の震度階分布（東海４県） ひと目 盛り 50 万人

東海地震による震度曝露人口比較 （愛知県内市区町村）

東海地震による愛知県内市区町村の 震度曝露人口比較（抜粋）

震度曝露人口の算出例 既往５地震 年濃尾地震 M=8.010/2806: 年東南海地震 Mj=7.912/ 713: 年三河地震 Mj=6.8 1/1303: 年福井地震 Mj=7.1 6/2816: 年兵庫県南部地震 Mj=7.3 1/1705:46 想定２地震（連動を含め３ケース） 1. 想定東海地震 Mw=7.96 ? ? 2. 想定東南海地震 Mw=8.15 ? ? 3. 想定東海・東南海の連動 Mw=8.27 ? ?

既往５地震における震度推定方法 山口ら (1999) による 低層独立住宅の全壊 率の被害関数より逆 算 全壊率 震度 %5.5 1%5.8 10%6.2 30%6.5 50%6.7 70%7.0 90%7.3 99%7.7

使用データ 飯田 (1985) による 973 市 町村の住家全壊率と人口 岐阜県 710 愛知県 年濃尾地震 [M=8.0] 【岐阜県・愛知県】

使用データ 飯田 (1985) による 387 市 区町村の住家全壊率と戸 数 岐阜県 55 愛知県 121 三重県 68 静岡県 114 奈良県 29 人口の推定 人口＝戸数 × 一戸当たり推定平均人 数 （当時の各県の人口と世 帯数の比より算出） 1944 年東南海地震 [Mj=7.9] 【岐阜県・愛知県・三重県・静岡県・奈良県】

使用データ 飯田 (1985) による 66 市区 町村の住家全壊率と戸数 人口の推定 人口＝戸数 × 一戸当たり推定平均人 数 （当時の愛知県の人口と 世帯数の比より算出） 1945 年三河地震 [Mj=6.8] 【愛知県】

使用データ GHQ 報告書 (1949) に記 載の 50 市町村の住家全壊 率と人口 福井県 46 石川県 年福井地震 [Mj=7.1] 【福井県北部・石川県南部】 震度階 6 弱 6 強 7

震度データ 兵庫県南部の 9 区 7 市 山口ら (1999) による建物被 害に基づく町丁目単位の震度 高田ら (1996) による町丁目 単位のアンケート震度 この他の兵庫県と大阪府 井上ら (1999) による市区町 村単位のアンケート震度に補 正と統計処理 人口データ 市区町村別推計人口 兵庫県： 1995 年 1 月 1 日現在 大阪府： 1994 年 10 月 1 日現在 1995 年兵庫県南部地震 [Mj=7.3] 【兵庫県（淡路島を除く）・大阪府】

既往地震と想定東海・東南海・連動地震による 震度曝露人口の震度階分布 ひと目盛り 100 万人 既往地震想定地震

供給率 電力 地震後経過時間 供給率 上水道 地震後経過日数 供給率 ガス 地震後経過日数 ライフラインの 地震時供給可能性 注意： 兵庫県南部地震の データに基づく予測モデル であり，地域にあわせた修 正が必要

地震後の上水道機能の復旧曲線 供給率 (20 日後 ) 76% 70% 復旧 80% 停止 地震後経過日数 注意： 兵庫県南部地震のデータに基づく予測モデルであり，地域にあわせた修正 が必要