YASUSHI SASAKI TOYOBO Co.,LTD. Industrial Films Development Department 13/Oct./2015 Display Innovation CHINA 2015 / Beijing Summit Super Retardation Film “COSMOSHINE SRF® ” ~ Application to LCD Polarizer ~ YASUSHI SASAKI TOYOBO Co.,LTD. Industrial Films Development Department 東洋紡の佐々木でございます。 本日ご紹介する「コスモシャイン・エスアールエフ」は、PETボトルと同じ素材、PETを原料として用いながら、虹むらを解消した画期的な製品です。 そしてこのブレークスルーによりPETフィルムを偏光板基材フィルムとして実用化する事に世界で初めて成功しました。 そしてその優れた特性により、偏光板、ひいてはLCDの信頼性を、大きく向上する事が出来る、という事が判りました。 本日は、その概要についてご説明します。
1. Feature of SRF SRF is a new PET film which eliminated iridescence (Rainbow-mura) derived from birefringence. Conventional PET COSMOSHINE SRF® それではまず、SRFによる虹むら解消効果と、液晶偏光板への応用例について、動画を用いてご説明致します。 (2分30秒間の動画が流れます。動画には、中国語のナレーションと字幕が表示されます。)
2. Application to LCD Polarizer 偏光板は、基材フィルム、偏光フィルム、位相差フィルムからなり、粘着剤を介して液晶セルの両面に貼り合わされます。 そのため、LCD の信頼性は最表面材料である基材フィルムの特性に大きく依存いたします。 通常、この基材フィルムにはTAC(タック)フィルムが用いられますが、ここにSRFを適用する事でLCDの信頼性が大きく向上します。 The reliability of LCD strongly depends on the property of substrate film which is the top surface material of LCD-panel.
3. Property of SRF 3-1. Typical property この表は、SRF の代表的な特性を、従来PETフィルムt、およびTACフィルムと比較して示したものです。 まず従来PETとの比較で最も特徴的なのは、リタデーションが非常に大きい事です。 これは光学異方性の指標で、この数値が大きければ大きいほど、光学異方性が大きい事を意味します。 詳しい原理は省略しますが、SRFは、この光学異方性を極端に大きくすることで虹むらの問題を解消しました。 次に特徴的なのは透湿係数です。 SRFはTACフィルムと比較して2桁低い透湿係数を有しています。そしてこの特性が、偏光板とLCDの信頼性を大きく改善します。 Higher retardation than conventional PET ⇒ Rainbow free. Lower moisture permeability than TAC ⇒ High reliability
4. Reliability of Polarizing Plates Reliability Test Result of SRF based POL and TAC based POL (85℃,85%RH, 500Hrs) 100Hrs 200Hrs SRF TAC SRF TAC SRF/PVA/TAC SRF/PVA/TAC TAC/PVA/TAC TAC/PVA/TAC 300Hrs 500Hrs SRF TAC SRF TAC これは実際に、偏光板の信頼性試験を行った結果です。 ガラス板の左側にSRF偏光板、右側にTAC偏光板を貼り付け、85℃、85%RHの環境下で500時間の耐久試験を行いました。 その結果、TAC 偏光板では約200 時間で色抜けを生じたのに対し、SRF 偏光板では500 時間経過後も一定の偏光特性を維持しました。 この結果は、我々の期待を大きく上回るものでした。 SRF/PVA/TAC TAC/PVA/TAC SRF/PVA/TAC TAC/PVA/TAC SRF based plate kept the polarizability even after 500hrs !
5. Reliability of LCD Light leakage (Egg-mura) and Cell bending test result 40℃,95%RH 40℃,Dry 常温,24時間 高温・高湿試験 偏光板 構成 高温試験 連続点灯試験 CELL Bending TAC PVA COP SRF ® mm 次に、LCDの環境試験結果についてご説明いたします。 これは、40インチのVAパネルを用いて、エッグムラと呼ばれるLCDの光漏れと、セルベンディングを評価した結果です。 上から順に、TAC偏光板、COPを位相差フィルムに用いた偏光板、SRF偏光板の試験結果を示しています。 またいちばん右の列には、耐久試験後のセルベンディング、液晶セルの歪みを測定した結果を示します。 違いは一目瞭然ですが、SRF偏光板を用いる事によりLCDの光漏れは大きく低減し、セルベンディング(液晶セルの変形)も大きく低下する事が判ります。 これも、我々の期待を上回る結果でした。 40in. MVA-Panel, 上板&下板
6. Conclusion Polyester(PET) is an excellent material, but PET has not been regarded as an optical material. This is due to its optical anisotropy, which cause rainbow-mura. In order to overcome this problem, we took the approach of significantly increasing the optical anisotropy. COSMOSHINE SRF® is a new PET film which eliminated Rainbow-mura. Applying SRF to the substrate of polarizing plate brings remarkable improvement of the reliability of LCD. 以上をまとめますと、ポリエステル、PETは非常に優れた材料ですが、これまでは光学材料としては認識されてきませんでした。 これは、その光学異方性に起因する虹むらの問題の為です。 最後に、本日は時間の関係でSRFの特長を一部しかご説明できませんでしたが、PETは非常に優れた特性を持った材料です。 本報告が、SRFの幅広い応用検討の機会となれば大変幸甚です。 本日はご清聴ありがとうございました。 Thank you Thank
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Birefringent Material APPENDIX. Principle of Rainbow Elimination Light Source POL Birefringent Material Interference Color natural light linear polarization elliptic polarization linear polarization I / I0 = 1/2·sin2(π·Re/λ) (補助資料)虹むら解消の原理 直交ニコル間に配置された複屈折体を透過する光の透過率は、この式で与えられる。 ここでRe は複屈折体の位相差(Retardation)、λは波長である。 グラフは、この式を波長(λ)の関数として図示したものである。 従来PET(Re=1000nm)を透過する光は波長によって透過率が異なるため透過色に偏りを生じるが、SRF(Re>8000nm)は可視光領域に多数の透過光ピークを有 するので、その混色効果によって着色が解消される。 Transmitted light though birefringent material placed between crossed polarizers has interference color, because its transmittance depends on the wave length. Transmitted light through SRF is colorless, because many ransmission peaks are mixed.