1. 大気重力波と一般流 の相互作用 ＆ 自己紹介 元 東京学芸大学 教育学部 環境総合科学課程 自然環境科学専攻 気象学研究室 現 今村研 M １ 樋口武人 元 東京学芸大学 教育学部 環境総合科学課程 自然環境科学専攻 気象学研究室 現 今村研 M １ 樋口武人

2. ＜自己紹介＞ ＜経歴＞ ・新潟県立新発田高等学校 → ラグビーに熱中。高校３年のとき に新潟代表として国体出場。勉強 は・・ ・東京学芸大学 教育学部 → 気象学研究室所属。気象学全般の 勉強と卒業研究を行う。 ＜趣味＞ ・スポーツ観戦（野球、ラグビー、 相撲） ・ランニング ・釣り ・マリオカート（ＳＦＣ ) 1

3. １．はじめに 重力を復元力として生じる大気の波動を 大気重力波という。日々の天気に直接関 与しないが、鉛直方向に運動量を輸送し、 地球の大気大循環に大きく影響を与える。 ＜目的＞ 大気重力波の鉛直伝播特性及び、鉛直伝 播した大気重力波と一般流の相互作用に ついて数値シミュレーションで再現し、 そのメカニズムを理解する。 2

4. 3 基本場 山岳を仮定した場合 ２．重力波の鉛直伝播 波型の山岳によって重力波を強制 線形化した運動方程式、静水圧平衡の式、連続の式、 断熱変化の式から得られた重力波の鉛直伝播を表現す る方程式に基づき計算

5. 4 ２．重力波の鉛直伝播（計算結果） ＜西風 10m/s ＞＜西風 30m/s ＞ ＜西風 100m/s ＞＜西風 50m/s ＞

6. ３．重力波によって生成される一般 流 5 重力波の減衰が生じ、 運動量を大気へ与える 重力波は位相速度の方向に運 動量を持っている。 臨界高度（波の位相速度と 一般流の風速が等しい高 度）で重力波は完全に吸収 される。 位相速度の方向 ＜概要＞ 大気の摩擦・粘性が ある領域

7. 6 場の回転は無いものとし、ｘ－ｚ平面の運動を 考えたとき重力波によって生成される一般流は、 粘性のある場合の x 方向の運動方程式を用いて計 算される。 ＜計算方法＞ ３ ．重力波によって生成される一般 流 ①③② ①：一般流の時間変化 ②渦粘性による一般流の変化 ③：重力波の運動量フラックスの吸収

8. ３ ．重力波によって生成される一般 流 7 ＜計算結果＞ 位相速度 10m/s の重力波による一般流の時間変化 高度高度 平均東西風 (km) (m/s)

9. ３ ．重力波によって生成される一般 流 8 ＜運動量フラックスとの比較＞ 重力波が輸送する運動量フラックスの時間変化一般流の時間変化 （運動量フラックスの単位： ) 高度高度 平均東西風 (km) (m/s)

10. 4 ． 準２年周期振動の再現 9 準２年周期振動： 下部成層圏で東風と西風が約２６カ 月周期で交代する赤道域特有の現象。 図：カントン島における月平均東西風の時間と高度による変化 Ｗは西風、Ｅは東風を表し、風速の単位は m/s （『一般気象学』より） 赤道付近では様々 な振動数を持つ重 力波が鉛直伝播。 ↓ 重力波が関わっ ている。

11. 4 ． 準２年周期振動の再現 10 ＜計算方法＞ 東風と西風を交互に再現するために、西進重力 波と東進重力波の両方を前の計算で用いた方程 式の運動量フラックス吸収を表す項に組み込み、 一般流を再現する。 西進重力波と東進重力波の運動量 フラックスの吸収を含ませる。

12. 4 ． 準２年周期振動の再現 11 準２年周期振動の再現結果 高度高度 平均東西風 (km) (m/s)

13. 4 ． 準２年周期振動の再現 12 ＜観測との比較＞ 再現された平均東西風速分布の時間 ― 高度断面図 （実線：風速 [m/s] 、網掛け域：東風） 観測された準２年周期振動の時間 ― 高度断面図

14. ５．まとめ 13 ＜重力波の鉛直伝播＞ 平均東西風等を変化させて計算を行い、重力波 の鉛直伝播特性を把握することができた。 ＜一般流の再現＞ 重力波が輸送する運動量と比較することで、生 成される一般流のメカニズムを理解できた。こ の計算方法を用いて準２年周期振動に近い結果 が得られた。 金星大気のスーパーローテーションに関する数 値シミュレーションを行っていきたい。 今後について