1. 名古屋工業大学 電気電子工学科 岩波・岡本研究室 野々村嘉人
MIMOの信号分離の検討
名古屋工業大学　電気電子工学科
岩波・岡本研究室
野々村嘉人

2. 背景
　　近年の高度情報化社会においてディジタル無線通信は広く普及している。　また、それに伴って高速大容量通信の需要は高まっている。複数の送受信アンテナを用いるMIMO方式はこれらを可能とする技術として期待されている。

3. 目的
　　MIMOの信号分離法である、Nulling、PIC（並列干渉除去法）、MLD（最尤判定法）のビット誤り率の比較検討。

4. Nulling ZF基準 MMSE基準 送信ベクトル 通信路行列 受信ベクトル の逆行列 (重みベクトル) ガウス雑音のベクトル
を左から乗算
エルミート転置行列 H
信号対雑音電力比
単位行列
を満たす任意の実数

5. PIC
　　PIC（Parallel Interference Cancellation）はMIMOのアンテナ間の干渉を除去する方法の１つである。
　　受信信号から、Nullingにより得られた、求めたい信号以外の信号点レプリカを減算することにより、他のアンテナの干渉を除去する。

6. MLD 図のように、ある受信アンテナでの受信信号点は、各送信アンテナから送信される送信信号の信号点の組み合わせにより決定される。
　図のように、ある受信アンテナでの受信信号点は、各送信アンテナから送信される送信信号の信号点の組み合わせにより決定される。
MLDは、すべての信号点の組み合わせの中から最も近い点を探索する手法である。
受信信号
最も近い点

7. シミュレーション条件１ アンテナ本数 2×2 変調方式 QPSK変調方式（グレイマッピング） 通信路 １パス準静的レイリー フェージング推定
既知（カンニング方式）

9. シミュレーション条件２ アンテナ本数 2×2 変調方式 QPSK変調方式（グレイマッピング） OFDM 通信路 １６パス指数減衰レイリー
フェージング推定
既知（カンニング方式）
サブキャリア数 64
GI長 16
遅延時間 １
DUR
１[dB]

11. まとめ 今後の課題 シングルキャリアのMIMOでも、OFDMを用いたMIMOでも、信号分離で最もビット誤り率が良いのはMLDであった。
　　また、アンテナ間の干渉を除去するPICは、Nullingよりビット誤り率が良かった。
今後の課題
SICを用いたMIMO-OFDMの信号分離。
MIMO MC-CDMAの信号分離法の検討。

12. END