1. サービス産業（ 4 業種 22 店舗）における受動喫煙： 微小粒子状物質 (PM 2.5 ) による室内環境及び個人曝露濃度 1) 空気環境の評価方法の比較 世界標準：直径 2.5μm 以下の微小粒子状物質（ PM 2.5 ） Particulate Matter 2.5 日本の測定法：約 10μm 以下の吸入性粒子（ RSP ） Respirable Suspended Particulate 2) 公共的空間と職場の受動喫煙対策への提言 「受動喫煙防止対策のあり方に関する検討会報告書」 「受動喫煙防止対策について」（平成 22 年 2 月 25 日） 健康局 総務課 生活習慣病対策室：官公庁、公共施設、路上 「職場における受動喫煙防止対策に関する検討会」 労働基準局 安全衛生部 環境改善室：職場（飲食店を含む） 産業医大 産業生態科学研究所：大和 浩、江口泰正、太田雅規、尾前知代、中田ゆり 国立保健医療科学院：吉見逸郎、愛媛県立医療技術大学：鳥井順子 愛媛大学大学院 公衆衛生・健康医学分野：谷川 武

2. 粉じん濃度測定の 世界標準： 直径 2.5μm 以下の 微小粒子状物質 Particulate Matter ( PM 2.5 ) 朝日新聞 2009 年 6 月 人体への影響が既知。 無害なレベルは 年平均： 10μg/m 3 以下 24hr ： 25μg/m 3 以下 わが国のでは 約 10μm 以下 の吸入性粉じん （ Respirable Suspended Particulate: RSP ） 約 10μm 以下の 吸入性粉じん

3. サービス産業 4 業種 22 店舗の PM 2.5 の曝露実態 (H20 年度実施 ) 喫茶店で７回喫茶店で７回 居酒屋で５回居酒屋で５回 娯楽産業： パチンコ、 ボーリング、 ゲームセンター で ５回 ファミリー レストラン ５回 吉見逸郎先生との共同研究

4. アジア 7 ヵ国の室内公共空間の受動喫煙曝露濃度の比較 Secondhand smoke exposures in indoor public places in seven Asian countries （ Int J Hyg Environ Health 投稿中） 受動喫煙防止法のない国は全て高濃度 日本のサービス産業の PM 2.5 濃度は平均 160μg/m 3 、 WHO Air Quality Index (24 時間曝露で 25μg/m 3 ）より 6.4 倍高い危険なレベル 中国 インド 日本 → 韓国 マレーシア パキスタン スリランカ

5. 粉じん濃度測定法 長所短所 直径の 微小粒子状物質 直径 2.5μm 以下の 微小粒子状物質 PM 2.5世界標準人体への影響が既知 WHO Air Quality Index では 人体に無害なレベル： 年平均で 10μg/m 3 以下 24h 曝露で 25μg/m 3 以下 ため、 定点の測定は可 能であるが、胸 元の個人曝露が 測定できない 機器が大きく、 重たいため、 定点の測定は可 能であるが、胸 元の個人曝露が 測定できない 吸入性粉じん RSP: 約 10μm 以下 胸元に装着 個人曝露濃度の評価 が可能 先行研究のデータの 蓄積がある であるため、 日本独自の規格 であるため、 WHO AQI が適用 されない

6. 屋外の測定では数 μm の土石粉じんが混入するため、 吸入性粉じん (RSP: 数 μm 以下） ×0.7 ＝ PM 2.5 として使用。 両者の関係を明らかにするため、喫煙室で併行測定 清浄な室内の粉じん濃度は 10 〜 20μg/m 3 。 タバコ粒子は 0.1 〜 0.2μm と小さいため、２機種の計測値はほぼ同じ。 RSP 測定器 2 種 （装着用＆定点測定） 測定値 ×0.8= タバコ煙濃度 PM 2.5 測定器 測定値 ×295= タバコ煙濃度

7. ファミレスの喫煙席と禁煙席の 受動喫煙と従業員の個人曝露を PM 2.5 で評価： 装着型の粉じん計 喫煙席の粉じん計

8. ファミレス禁煙区域の受動喫煙 （先行研究と同じ結果） 禁煙区域もタバコ煙で汚染 喫煙席 禁煙席

9. 従業員の受動喫煙：区域分けのファミレス 定点測定よりも数倍高い個人曝露 胸元に センサー 2010 年 2 月に全席禁煙に改装。今は、空気もきれいなレストランに！ 喫煙区域で高い曝露 接客中は特に高濃度 禁煙区域は 低濃度

10. 神奈川条例で適用から除外されたホテル従業員の受動喫煙 個室の宴会場、 15 名中 6 名が喫煙。 仲居さんは宴会場内で 高濃度の受動喫煙

11. 公共空間禁煙のホテル、宴会の接客時に受動喫煙 ロビーや廊下は全面禁煙であっても、 ロビーや廊下は全面禁煙であっても、 個室の宴会の接客時に高い濃度の受動喫煙

12. 論文紹介： 受動喫煙防止法の施行で心筋梗塞が 17% 減 少 スコットランド 300 万人、心筋梗塞 17% 減少 11 論文のメタアナリシ ス： 心筋梗塞が 17% 減少 27% 減 19% 減 41% 減 0~18 ヵ月 19~36 ヵ月 長期効果あ り

13. 日本製の粉じん計でも微小粒子状物質（ PM 2.5 ）の測定は可能 わが国のサービス産業の受動喫煙曝露は危険なレベル 諸外国では、受動喫煙防止法で心筋梗塞が 17% 減少 わが国でも受動喫煙防止法が必要 結語 http://www.tobacco-control.jp/ 結果の公開 以上の結果は、 2009 年 11 月、 12 の医歯学会 で構成される禁煙推進 学術ネットワークより 長妻厚労大臣に提出